体内に発生した異常を元に戻そうとする防御作用のひとつである炎症は、切り傷などから細菌が侵入した場合、その細菌が排除されるまで、炎症が続きます。このように免疫システムが正常に働いているときはいいのですが、なんらかのきっかけで、免疫システムが誤作動を起こし、好中球(こうちゅうきゅう)やリンパ球などの免疫細胞が滑膜の中に増殖します。その結果、正常な組織であるはずの滑膜を攻撃してしまい、痛みが起こるとされています。
まだ多くの場合、リウマトイド因子と呼ばれる、(自分の体の成分を異物と間違えて、反応し、その結果生産された自己抗体、リウマチ因子とも呼ばれる)抗体が生まれ、血液や関節液の中に出てきます。これらの免疫細胞が血液の免疫細胞などと反応を繰り返した結果、関節リウマチ特有のサイトカインという物質(リンパ球が刺激を受けて生まれる、微量でさまざまな働きをする生理活性物質で、多くの種類がある)が多量に分泌されることで、炎症が起こることが明らかになっています。
滑膜とは、関節の内側に張られている、厚さ1ミリにも満たない薄い膜で、この滑膜が炎症を起こすのが滑膜炎で、関節リウマチの痛みや変形の原因となります。
関節リウマチの痛みのもとは、免疫システムが誤作動を起こすことによって、自分の組織(滑膜)を攻撃して起こる炎症が原因、慢性化すれば肉芽組織ができ、骨を侵食していきます。